160年前から京都の地で御所人形を作り続けてきた島田耕園工房。
三等身に白い肌、むっちりとした質感の御所人形は、稚児の姿を写しながら、さらにその先にある「けがれなき大切なもの」「命のめでたさ」を表現しようと作り出されたもので、その歴史は江戸時代に遡ります。
稚児の何気ないしぐさを「愛おしい」と感じ、無邪気な様子に「純粋さ」を見て、屈託ない無垢な表情を「気高い」ものと尊ぶ・・・。
このような古来からの日本人ならではの想いを未来に繋げたいという願いを込めて、五世島田耕園氏は現代にあって和様美を備えた御所人形を制作されています。
折しもこの展覧会の会期中に御代が替わり、新しい時代を迎えます。
今展では、明るくめでたい気分を表現した伝統的な御所人形や御殿玩具とともに、五世耕園氏による、精神性や普遍性が抽象的に表現された作品の数々をご覧いただきます。