安西氏は、アートディーラーとして、世界的に美術史的価値の高い作家だけを扱ってきました。その作品群から吸収された美のエッセンスとでもいうものが、自分自身に蓄積していることに気づいた時、それらを抽出して、本質を具現化しようとする欲求が起き、制作活動に邁進しています。本展で展示される絵画やオブジェ作品からは、彼が長年にわたり収集した美術史に残る作家たちの根底に流れる思想を絵の中に感じ取ることができるでしょう。
■作家略歴
安西敢(あんざいつよし)
1948年、福岡県生まれ。慶應義塾大学を卒業後、百貨店を皮切りにいくつかの職業を経験し、1980年代後半にはアートディーラーとしての活動をスタート。国際的なマーケットに着目し、草間彌生、李禹煥、河原温、ウォーホル、キース・ヘリングなど、いまでは極めて高価になった作品を安価な頃から多く取り扱い、独自のスタイルを確立するとともに、業界内にも確固たる地位を築いた伝説なアートディーラー。