何層にも重ねられたピュアな色彩。そのピュアな色のピクセルで構成された人物や背景。描かれた女性の輪郭は、色面が曖昧に溶け出した背景の中にやわらかに浮かび上がります。古河原 泉は、油絵特有の立体的な質感で人物の感情を巧みにとらえ、無垢な清らかさを失わない存在を表現することに挑んでいます。
2年ぶりとなる今展では、新作を含む油彩、水彩作品約30点を展示いたします。色の重なりが生み出す清廉で澄んだ絵画世界を、ぜひご覧ください。
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🔷古河原 泉 Izumi Kogahara
栃木県宇都宮市生まれ。
宇都宮大学教育学部美術科卒業後、美術団体 光風会に所属し、画家としての活動をスタート。
2004 年、日展初入選以後、7 回入選。
美術団体退会後、2013 年渋谷 Bunkamura Gallery にて初個展。
以降、全国百貨店・美術画廊等で個展を開催。
現在、栃木県にアトリエをかまえ、制作活動を続ける。
―私が表現したいもの―
人の美しさの根本は、外見や能力ではなく「在り方」にあると私は思っている。
自分はこう在ろうとする姿、その足跡である生き様、それは人の内面から生まれるものだけれど、決して目に見えないものではなく、それこそが外側に滲み出て反映される美しさの根本なのだ、私はそう考えている。
輝く「光」だけでなく、それによって足元におとす「影」もふくめた生物の生(なま)の在り様、とてつもなく清く美しく尊い。
思わず抱きしめたくなるほどに。
そんな自身の感覚が絶えない限り、私は彼女たちの在り様を表現したい。
生の体温が語るストーリーを表現したい。
感情と同じ方向に筆を流すことを続け、完結しない空間を描いていたい。
古河原 泉